丹波焼を中心に陶芸文化が学べる「兵庫陶芸美術館」の魅力に迫る!

2024.08.26 john

本日は兵庫県丹波篠山市にある「兵庫陶芸美術館」さんに取材させて頂きました!

2005年に開館した兵庫陶芸美術館では、古代の陶磁器から現代の陶芸作品まで多岐にわたる展示が行われており、貴重な資料の収集や保存、研究活動もなされています。

日本六古窯のひとつである丹波焼を中心とし、日本国内外問わず陶芸文化を学ぶことができます!

兵庫陶芸美術館をご紹介

画像引用元:兵庫陶芸美術館

兵庫陶芸美術館は、兵庫県丹波篠山市にある兵庫県の陶芸文化の継承と振興を目的とした陶磁器をテーマとした美術館です。

日本遺産に認定された日本六古窯のひとつである丹波焼をはじめとし、古陶磁から国内外の現代陶芸作品を約3000点収蔵、展示しています。

また、併設の工房でワークショップや陶芸講座なども開催しており、日本の陶芸文化を学び、体験するには最適な美術館です!

兵庫陶芸美術館で注力している事業・イベント

画像引用元:兵庫陶芸美術館

年4回開催される特別展では、近年では陶芸に限らず、工芸という観点からガラスなどの展示も行っています。

また、春と秋には美術館のある丹波焼の里で、「春ものがたり」や「陶器まつり」など、窯元さんや地元の施設と一帯となってイベントがあります。

また、美術館には茶室「玄庵」があり、秋には茶会などのイベントも行っている幅広い文化体験ができるのも魅力の一つです。

私たちがおすすめする兵庫陶芸美術館の見どころ

私たちがおすすめする兵庫陶芸美術館の見どころを3つ紹介します。

森の中の美術館

画像引用元:兵庫陶芸美術館

兵庫陶芸美術館は、森の中の美術館と呼ばれ豊かな自然に囲まれた場所に位置し、訪れる人々に四季折々の風景を楽しむ機会を提供しています。敷地内には整備された歩道があり、陶芸作品が点在しているので、美術品を鑑賞しながらのんびりと散策するのに最適です。

兵庫陶芸美術館は、森の中にある自然あふれる美術館です。敷地内には、遊歩道があり、陶芸作品などが置いていますので、ちょっとした散策がオススメです。

田中寛コレクション

画像引用元:兵庫陶芸美術館

兵庫陶芸美術館の収蔵品においては、特に注目すべきはかつて全但〈ぜんたん〉バス株式会社の社長であった田中寛〈たなかひろし〉氏(1904~1981)によって寄贈および購入された901点の陶磁器が挙げられます。これらの陶磁器は、昭和41年に設立された「(財)兵庫県陶芸館」に起源を持ちます。

田中氏のコレクションは、丹波焼、三田〈さんだ〉焼、東山〈とうざん〉焼、出石〈いずし〉焼、珉平〈みんぺい〉焼など、兵庫県内で製作されたやきものを重点的に集めており、その価値は全国有数の丹波焼コレクションとしても有名です。

この貴重な収蔵品は、「田中寛コレクション」と呼ばれ、美術館では田中氏の収集活動と「(財)兵庫県陶芸館」の歴史を次世代に伝える役割を担っています。さらに、「田中寛コレクション」内の657点は、2018年3月に兵庫県指定重要有形文化財として認定され、その重要性と価値が再確認されています。

丹波焼

画像引用元:兵庫陶芸美術館

丹波焼は、その歴史を平安時代の終わり(12世紀後半)にさかのぼります。地元の須恵器の伝統に基づき、愛知県の常滑焼や渥美焼といった東海地方からの陶器製造技術を巧みに取り入れました。

この結果、中世には壺や甕、擂鉢といった日常的な陶器が主に生産されました。窯の高温の過程で薪の灰が自然に萌黄色の釉薬となるため、偶発的な美しさが生まれます。この自然釉は、意図を超えた美的感動を引き起こします。

江戸時代の初期には、鉄分を多く含む「赤土部」と呼ばれる化粧土を器に施し、鮮やかな赤茶色の徳利や甕が大量に生産されました。江戸後期には、栗の皮のような色合いを持つ「栗皮釉」や、白い化粧土に色絵が施された色絵陶器など、技法がさらに多様化し、丹波焼の芸術性が一層高まりました。

兵庫陶芸美術館では、テーマ展「丹波焼の世界」で豊富な丹波焼のコレクションを展示しております。また、丹波焼を含む「日本六古窯」は、その伝統的な焼き物のストーリーが2017年に日本遺産として認定されました。

このストーリーは「きっと恋する六古窯-日本生まれ日本育ちのやきもの産地-」として広く知られています。

私たちがおすすめする兵庫陶芸美術館の魅力

画像引用元:兵庫陶芸美術館

兵庫陶芸美術館は、JR相野駅からバスで約15分と少々不便な立地にあるかもしれませんが、その地域には他にも多くの見どころがあります。丹波焼の窯元が点在しており、「丹波焼最古の登窯」などの歴史的な工芸を楽しむことができます。また、「丹波伝統工芸公園 立杭 陶の郷」や「こんだ薬師温泉 ぬくもりの郷」も近くにあるため、訪れる価値があります。

都会の喧騒から離れて、風光明媚なこの地で心癒されるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。自然と芸術の絶妙なハーモニーを楽しむこの場所は、普段忘れがちなゆったりとした休日を提供してくれることでしょう。

兵庫陶芸美術館が受け継ぎたいもの

画像引用元:兵庫陶芸美術館

多くの方に、もっとこの美術館の良さを味わっていただきたい!!です。「陶芸」、「美術館」というと興味がある方しか来られないと思いますが、この非日常的な空間を是非味わっていただきたい!

確かに、美術館に展示しているものは美術品ではありますが、基礎となっているものは皿や器など私たちが毎日使っているものです。毎日使用している陶器などに少し興味を持っていただき、作陶など体験するのも良し!美術館の近くにある窯元に行って自分のお気に入りの器を買うのも良し!少しでも興味を持ってもらえる美術館でありたいです。

兵庫陶芸美術館の基本情報

画像引用元:兵庫陶芸美術館

住所 〒669-2135 兵庫県丹波篠山市今田町上立杭4
電話番号 079-597-3961
営業時間 10:00~18:00
休日 月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始
料金 有料

観覧料は、展覧会ごとに異なります。

アクセス JR福知山線「相野」駅下車(大阪駅から約50分)。駅前からウイング神姫(路線バス)「兵庫陶芸美術館」「こんだ薬師温泉」。
または「清水寺」行き乗車約15分、「兵庫陶芸美術館」下車(運賃:片道310円)。
駐車場 駐車場は無料です。
敷地内に58台分(普通車)
ウェブサイト https://www.mcart.jp/
備考 英語
英語の案内表示あり

兵庫陶芸美術館のまとめ

画像引用元:兵庫陶芸美術館

兵庫陶芸美術館は、陶磁器を介して県全体の陶芸文化を活性化し、交流を促進する役割を担っています。2005年に、日本六古窯に数えられる丹波焼の中心地である兵庫県丹波篠山市今田町にその扉を開きました。

当館では古陶磁や現代陶芸の展示に加え、資料の保存や収集、研究活動を展開しています。それにとどまらず、次世代を担う陶芸家の育成や教育機関との協力を重視し、陶芸ワークショップや特別講座などを通じて創作活動や学びの場を提供中です。

また、地域の文化遺産と豊かな自然を活用し、エコミュージアム的な空間を創り出すことにも力を注いでいます。

この記事を書いた人

john