環境と地域をつなぐ新しいかたち|JUON NETWORKの取り組み

目次
introduction
認定NPO法人JUON NETWORKは、都市と農山漁村をつなぎ、森林保全や農業体験、若者リーダーの育成などを通じて持続可能な社会の実現を目指す団体です。間伐材・国産材を活用した「樹恩割り箸」の普及など、環境に配慮した取り組みも行っています。
本日は認定NPO法人JUON NETWORKの鹿住貴さんにお話を聞かせていただきました。
事業内容や理念について簡単に教えてください
画像引用元:認定NPO法人JUON NETWORK
鹿住さん:
認定NPO法人JUON NETWORK(以下、JUON NETWORK)は、都市と農山漁村が支え合うネットワークを、森林などをめぐる体験・交流・応援の活動によってひろげ、持続可能な社会を創造することを目的としています。
活動内容としては、森林保全活動の一環で間伐材・国産材製「樹恩割り箸」の普及を推進するとともに、全国18ヶ所で森づくり体験プログラム「森林の楽校(もりのがっこう)」を開催し、東京・関西・四国では「里山・森林ボランティア入門講座」を実施しています。さらに、全国4ヶ所で農作業を支援する「田畑の楽校(はたけのがっこう)」や、都市と農山漁村をつなぐ人材を育てる資格制度「エコサーバー検定」など、多様な活動を展開しています。
WEBサイトで掲げている「つながるところから未来は始まる」という理念を、エコツーリズムの取り組みではどのように具体化されていますか?
画像引用元:認定NPO法人JUON NETWORK
鹿住さん:
JUON NETWORKが掲げる理念「つながるところから未来は始まる」における「つながる」とは、都市と農山漁村の関係を指しています。都市は農山漁村から食べ物や木材、水や空気といった生活の基盤を支えられ、一方で農山漁村は都市の消費活動によって成り立っています。
つまり、両者は本来お互いに支え合う存在です。しかし、グローバル化の進展によりその関係性が希薄になりつつある今、JUON NETWORKは都市住民の参加を通じて自然を回復し、改めて「都市と農山漁村のつながり」を取り戻そうとしています。
貴法人の活動は、SDGsのどの目標と特に関連していますか?また、その目標達成に向けた具体的な工夫はありますか?
画像引用元:認定NPO法人JUON NETWORK
鹿住さん:
JUON NETWORKの活動は、SDGsの中でも特に目標15「陸の豊かさも守ろう」に直結しています。森林は水や空気を育むだけでなく、生物多様性や防災など多面的な機能を持つため、その保全には「伐る・使う・育てる」という循環を崩さず、資源として持続的に活用することが欠かせません。
JUON NETWORKでは、森林ボランティア活動を展開するとともに、間伐材・国産材を活用した「樹恩割り箸」の普及を進め、循環型の森林利用を支えています。
画像引用元:認定NPO法人JUON NETWORK
また、活動は目標15にとどまらず、目標8「働きがいも経済成長も」、目標11「住み続けられるまちづくりを」、目標12「つくる責任つかう責任」とも関連しています。
例えば、森林保全を担う人材育成や地域との協働、また、「樹恩割り箸」は障害者の仕事づくりで行っているので「働きがい」につながり、都市と農山漁村の交流は「住み続けられるまちづくり」を支援します。さらに、国産材利用や環境配慮型製品の普及は「つくる責任・つかう責任」の実践でもあります。
活動を続ける中で、森や里山がどのように姿を変えてきたのか、具体的に教えていただけますか?
画像引用元:認定NPO法人JUON NETWORK
鹿住さん:
JUON NETWORKでは、森づくり体験プログラム「森林の楽校(もりのがっこう)」を全国18ヶ所(秋田、福島、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、富山、福井、長野、岐阜、京都、兵庫、徳島、香川、高知、佐賀、長崎)で開催しています。
この活動は、森林ボランティアの入門編として、森づくりの「体験」、森林・林業に関する「学習」、そして地元住民との「交流」を三本柱に展開されています。
森林は放置すれば荒廃してしまうため、間伐や下草刈りといった手入れが欠かせません。活動には初めての参加者も多い一方で、最も古い地域では1998年から継続して実施しており、着実に森林の整備が進んできました。また近年では、竹林の整備も行なっています。
これまでの活動の中で、特に成功したと感じるものはありますか?
画像引用元:認定NPO法人JUON NETWORK
鹿住さん:
JUON NETWORKの活動の中で特に印象深い取り組みのひとつが、新潟県佐渡島で行われている「トキの島 森林の楽校」です。2000年に新潟大学とともにスタートし、2002年からはトキの野生復帰を目指した里山整備活動を進めてきました。
日本のトキはかつて絶滅しましたが、中国から贈られた同種のトキが人工繁殖に成功し、2008年から野生放鳥が始まりました。これまでに32回の放鳥が行われ、現在では約750羽(飼育下約170羽、野生下約580羽)が棲息するまでに回復しています。
佐渡全体での取り組みの一部でしかありませんが、私たちの活動もトキの増加に貢献していることを実感しています。大切なのは「トキそのもの」ではなく、「トキが棲める環境」を守ることです。これからも、人とトキがともに生きられる健全な里山を育むことを目指して活動を続けていきます。
今後の活動で、エコツーリズムや SDGs の分野において挑戦してみたい「ななめうえ」の企画やアイデアがあればお聞かせください。
画像引用元:認定NPO法人JUON NETWORK
鹿住さん:
近年、「関係人口」という言葉が注目されるようになりました。これは、地域に移住して暮らす「定住人口」や、観光や交流を通じて関わる「交流人口」に加えて、地域や人々と多様な形で関わる人々を指しています。
その一例として、気軽に地域とつながれる手段のひとつに「ふるさと納税」があります。JUON NETWORKの活動も、交流人口の入口を広げる役割を果たしていますが、中には「ぶどうの丘 田畑の楽校(はたけのがっこう)」のように、参加した4家族が実際にぶどう農家として定住するような活動もあります。
今後は、こうした「交流から定住へ」という自然な流れを後押しできるような仕組みや、都市と農山漁村をつなぐ新しい関わり方をさらに生み出していきたいと考えています。多様な関係人口を育み、エコツーリズムやSDGsの目標と重なる形で、地域の未来をともにつくっていくことが、これからの挑戦です。
基本情報
社名 | 認定NPO法人JUON NETWORK |
本社所在地 | 東京都杉並区和田3-30-22 大学生協杉並会館内 |
設立 | 1998年 |
代表者 | 生源寺 眞一 |
事業内容 | 都市と農山漁村の交流、森林・田畑の保全など |
公式サイト | https://juon.or.jp |
まとめ
画像引用元:認定NPO法人JUON NETWORK
JUON NETWORKは、1998年に大学生協の呼びかけで設立された団体で、都市と農山漁村が体験や交流を通じて支え合い、持続可能な社会を実現することを目的としています。
活動の柱は、森林や農地を舞台にした交流・保全活動、ボランティア人材の育成、そして国産材を活用した商品普及の三つです。具体的には、森づくり体験「森林の楽校」や農作業体験「田畑の楽校」、エコサーバー検定や森林ボランティア講座、さらに間伐材・国産材を利用した「樹恩割り箸」の普及などを行っています。
「樹恩」という名称には、木々の恵みに感謝し、人と自然が共生する社会を築いていく思いが込められています。
JUON NETWORKの活動は、単なる森林保全や農業体験にとどまらず、都市と農山漁村をつなぎ、地域社会の活性化や環境の再生を実現する新しい形の取り組みです。こうした実践は、日本において唯一無二の存在となり、持続可能な未来を切り拓いていくことでしょう。
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