呉服屋から酒造メーカーへ、「国稀酒造」のナナメウエな魅力に迫る!
国稀酒造さんは北海道増毛町に本社があり、日本最北端の酒造会社です。
今回は国稀酒造の執行役員兼直売店店長である、佐藤 敏明さんに伺ったお話を中心に、国稀酒造の魅力と同酒蔵がある北海道増毛町の魅力を紹介します。
国稀酒造の歴史
引用:国稀酒造
国稀酒造は新潟県佐渡出身の本間泰蔵が明治8年にそれまで住んでいた小樽から増毛へと移り住み、明治15年に創業しました。
創業時は「丸一本間」という社名であり、かつて勤めていた会社と同じく呉服商を営んでいましたが、後に本業の傍らさまざまな商いをするようになります。
荒物雑貨販売・呉服雑貨・漁獲物の運送などをはじめ、さらには地域住民のために海運業やニシン漁もスタートさせます。
これらの商いのひとつとして初めたのが日本酒の醸造業であり、今日まで継続している商いのひとつとなりました。
国稀酒造の公式ホームページによると、当時北海道で飲まれている日本酒は本州から移入されたものばかりで、高価なものでした。
しかし佐渡に酒屋の知り合いがいたことから、北海道で醸造業をスタートさせることを決意したそうです。
国稀酒造で実施しているイベント
引用:国稀酒造
国稀酒造では、毎年3月中旬に「新酒まつり」を、5月下旬に増毛町のイベントである「春のあじまつり」とのタイアップ企画として、「国稀地酒まつり」を開催しています。
公式ホームページによると、コロナ自粛で開催を見送っていた、「新酒まつり」が2025年から再び執り行われる予定です。道内のさまざまな地域からお客さんが訪れたり、この日だけの特別な日本酒を堪能したり、地元食材を使った料理が楽しんだりできるイベントで、とっても好評です。」
大抽選会や利酒大会など、楽しい催しも実施され、終始和やかな雰囲気で新酒まつりは大盛況のうちに終了しました。
国稀酒造のこだわり
引用:国稀酒造
美味しいお酒を醸造するには清らかな水、良質のお米、そして杜氏の卓越した技術が必要です。国稀酒造では暑寒別岳連峰を源とする清らかな水を使用しています。
お米は地元で育てた酒米を使用し、色々なバリエーションの日本酒を醸造しています。ホームページによると、お酒作り用の酒米は、精米機で表面を削って使用するのですが、国稀酒造では普通酒で65%、純米酒は55%、吟醸酒では50%、大吟醸では元の大きさの38%になるまで磨き上げ、お酒を醸造しています。
そして、国稀酒造では南部杜氏の手によってお酒を醸造します。お酒を醸造する際に必要不可欠なのが「麹」です。
麹は生き物なので、杜氏は温度や湿度などを管理しなければなりません。昔から「杜氏は麹と寝る」と言われており、麹つくりの2日間、杜氏は24時間体制で麹を見守ります。
杜氏のたゆまぬ努力によって、国稀酒造の美味しいお酒は作られているのです。
増毛町全体の魅力
引用:国稀酒造
国稀酒造の公式ホームページには、「増毛タウンガイド」というページがあり、そこでは増毛町の魅力や観光スポットがとても詳しく紹介されています。
増毛タウンガイドの内容を元に、増毛町の魅力を3つ紹介します。
豊富な海の幸
増毛町は海に面した港町ということもあって、海の幸が非常に豊富です。国稀酒造はかつてニシン漁を営んでいたことからもわかるように、増毛町はその昔、ニシンが多く穫れる場所でした。
現在は以前ほど獲れなくなったものの、ニシン漁は継続されています。ニシン以外にもさまざまなウニのさちが水揚げされていますが、なかでも甘エビ・ホタテ・タコは通年穫れるため、いつ増毛町を訪れてもそのいい示唆を味わえます。
そのほか、ウニ・サケ・イカ・タラなど季節ごとにさまざまな海の幸も水揚げされます。増毛町の飲食店ではお刺身やお寿司をはじめ、各種料理を堪能できるので、増毛町を訪れた際はぜひ海の幸を味わってください。
海の幸だけじゃない!食の宝庫増毛町
増毛町の魅力は海の幸だけではありません。増毛町の最高峰・暑寒別岳の麓には日本最北の果樹園が広gっていて、初夏はさくらんぼやイチゴ、秋はリンゴ・ぶどう・なしなどさまざまなフルーツが収穫されます。
寒暖差が大きな気候ということもあって、果実はみずみずしく、甘みと旨味が強いのが特徴です。収穫の季節には新鮮な果物を求めて、果物狩に多くの人が訪れます。
雄大な景色を堪能できる
海と山に挟まれた場所にある増毛町は雄大な景色を堪能できる場所が数多くあります。1,000m急の山々が連なっている暑寒別岳連山や絶景の海岸線が続く雄冬海岸一体は、暑寒別添売焼尻国定公園に指定されています。
また、町野どこにいてもその姿を望める増毛町最高峰、暑寒別岳は日本の二百名山や花の百名山に数えられる名峰で、季節ごとに異なる楽しみ方ができる山です。
雪深い場所にあるため、山開きは6月以降になりますが、その時期でも雪が残っており、山開き直後は残雪と新緑のコントラストを堪能できます。
マシケゲンゲ・マシケレイジンソウなど、ここでしか見られない固有種に出会えるのも暑寒別岳の魅力です。
山陽まで登ればどこまでも続く日本海や増毛の山々などの雄大な景色を望むことができます。晴れていれば遥か遠くの羊蹄山や大雪山なども見晴らせる場所です。
冬になると一面雪景色に覆われ、山登りはできなくなりますが、今度はスキーを楽しむお客さんが多く訪れます。
基本情報
- 所在地: 〒077-0204 北海道増毛郡増毛町稲葉町1-17
- お問い合わせ:0164-53-1050
- 開館時間:9:00~17:00
- お車でお越しの場合:札幌から深川まで高速道路(約100キロ)で1時間、深川~増毛・国道233号・231号(73キロ)で1時間20分
- 電車でお越しの場合:札幌から留萌まで(函館本線~留萌本線) 深川まで特急約1時間 ⇒ 深川から留萌本線普通で留萌まで約1時間(留萌からはバス利用)
- 駐車場:あり
- 地図:Googleマップ
まとめ
引用:国稀酒造
ここまで国稀酒造の魅力について紹介しました。
もともと呉服屋からスタートしたという変わった経歴を持つ国稀酒造ですが、日本酒の醸造を初めて以降、増毛の特産品のひとつとして、地元の人に長年愛されてきました。
これからも国稀酒造は地元増毛町の人に愛されるお酒として、愛飲され続けることでしょう。
しかし国稀酒造は日本国内に留まるような酒造会社ではありません。海外向けのサイトも立ち上げており、今後は世界にその名前を轟かせる酒造メーカーになるべく、成長を続けています。
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