全国から注目を受ける愛媛県西条市の「移住×プロモーション」施策をご紹介！

2024.10.02 kuroo

西条市は若者世代から移住したい自治体ナンバー1に選ばれています。西条市役所は積極的に移住施策を実施しており、その施策は愛媛県内のみならず全国から注目されているほどです。

本記事では、西条市が実施している「移住×プロモーション」施策について解説します。

西条市の概要

西条市は愛媛県東部に位置しており、南は西日本最高峰の標高を誇る「石槌山」、北は瀬戸内海に囲まれた環境です。気候は温暖であり、西条市内には3,000ヶ所以上から湧き出る豊富で良質な自噴水「うちぬき」をはじめとする豊かな自然環境、名湯や古刹など観光資源にも優れています。

毎年10月には「西条まつり」を開催。全国最大数と言われているほど多くの豪華絢爛なだんじり・神輿・太鼓台が市内を練り歩き、県内外から毎年非常に多くの見物客が詰めかけます。

また、農作物の一大産地としても有名です。日本一の生産量であるはだか麦やあたご柿、春の七草などが特産物となっています。更に造船・電気機械など工場も数多くあり、西条市は四国最大規模の工業地帯という一面もあります。

画像引用：LOVE SAIJO

愛媛県西条市は、宝島社が発行している「田舎暮らしの本」の「住みたい田舎ベストランキング」若者世代部門で3年連続全国1位を獲得。

また、2023年12月末には日本テレビ朝の情報番組「ZIP！」の特番である「妄想移住ランキング」で2024年に移住すべき市町村ランキング全国第6位にも選出されました。

ちなみにこの番組に於いては、中国・四国地方で唯一ランクインしている自治体となっています。

テレビやラジオなど多くのメディアで取り上げられ、全国から注目されている西条市の移住施策を詳しく解説しましょう。

西条市が「移住したいまち」として、メディアに紹介され、全国から注目を浴びることとなった理由のひとつが、「完全オーダーメイド型」の無料移住体験ツアーです。

多くの自治体で移住体験ツアーを実施していますが、基本的に複数の家族に対して同じコースを提供する「団体パック型」である場合がほとんど。

しかし、西条市の体験ツアーでは徹底した移住者目線により、往復の交通費・宿泊費・食費すべてが無料で、さらに土日祝日大歓迎で実施しています。この利用のしやすさが多くの移住希望者を呼び込んでいるのでしょう。

また、西条市の移住体験ツアーでは、場所ではなく「人へのアクセス」を優先しています。参加者それぞれのライフスタイルや関心事に合わせて体験内容をカスタマイズ。

先輩移住者や地元農家に企業の社員、そして学校の先生など、ツアー参加者と実際に西条市で住んでいる人を繋ぐような体験を実施しています。

ときにはツアー参加者を空港から就職試験会場まで送迎し、家探しや引っ越しのお手伝いをしたこともあります。

さらに子育て地帯には入園・入学の手続きや入学式の記念撮影、時には朝5時からカブトムシを捕まえに行ったり、学校やPTAの協力を借りて制服など学用品のお下がりを探すなど、その内容は非常に多岐に渡ります。

移住検討者に向けたセミナーや体験ツアー・空き家バンクの運用など移住施策は市の移住推進課が担当。シティプロモーション推進課は情報発信をメインとしており、移住推進課の事業のサポートに専念しています。

Webサイト・公式SNSなどオウンドメディアはもちろん、テレビやラジオ、YouTubeなど様々なメディアを活用しながら移住に関心の高い若い子育て世代へ積極的にプロモーションをしているのが大きな特徴です。

例えば、関東圏や関西圏のローカルテレビ番組でのPRを通じて、その後近隣で開催予定の移住セミナーなどイベントへの来場を誘導しています。

西条市が移住施策を全国的にプロモーションする転機となったのは、先に紹介した宝島社発行の「田舎暮らしの本」で2020年に「住みたい田舎ベストランキング」若者世代部門全国1位を獲得したことです。

この結果をひとりでも多くの、特に大都市圏の人に知ってもらうには、プロモーションを全国的に実施する必要がありました。その結果、現在は多くのメディアに取り上げられ、全国的に西条市の移住施策が注目されるようになっています。

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西条市には大学などの高等教育機関がありません。そのため、大学に進学すると必ず一度まちを離れます。地方都市の過疎化を防ぐには、一度離れた若者に戻ってきてもらわなければなりません。

一度西条市を離れた若者たちが、故郷を思い出していつか帰ってきたくなるような取り組みをしたいという思いから、令和2年度より独自のUターン施策をスタートさせました。

SNSを活用して西条市の若者専用ネットワークを形成してオンラインイベントを実施。また、学生と個別面談を行って就活や進学などの相談にも応じています。

また、近隣の大学・専門・短大のキャリアセンターに足を運び、西条市の若者サポート業務の紹介や学生への情報発信をお願いしています。

令和6年度からは拠点を西条市内に移し、業務を継続しながら大学訪問を全国へと拡大しました。さらに進学する前に若者との繋がりを持つため、InstagramやTikTokを活用して市内高校生との共同企画を積極的に展開しています。

西条市では「移住×プロモーション」を徹底した結果、「地方移住といえば西条市」と言われるまでになりました。メディアがメディアを呼ぶ好循環も生み出し、移住者が自身の体験をメディアを使って発信することで検討層にも広く波及させ、「移住者が移住者を呼ぶ」という好循環を生み出すことにも成功しています。

市の担当課の人にお話を聞いたところ、今後はこの成功体験を活かして他の部署にも広く波及させたいと語っておられました。

「移住×プロモーション」施策の成功体験が西条市役所全体に広がれば、西条市全体は大きく成長することでしょう。

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