「Arts Towada計画」の中核を担う「十和田市現代美術館」のななめうえな魅力!

2024.08.20 kuroo

クレジット:ライラ・ジュマ・A・ラシッド《虫-A》撮影:小山田邦哉

本日は青森県十和田市にある、十和田市現代美術館を取材しました。

当美術館は、十和田市が推し進めている「Arts Towada計画」の中核を担っており、観光スポットとしてだけではなく、十和田市全体の未来を明るく照らしてくれる施設です。

十和田市現代美術館だけではなく、周辺には魅力的なスポットが多数なので、十和田市を訪れた際は是非足を運んでみてくださいね。

十和田市現代美術館の紹介

ポール・モリソン《オクリア》撮影:小山田邦哉 

出典:十和田市現代美術館公式HP

十和田市現代美術館では、人間と自然をテーマに、草間彌生や奈良美智、ロン・ミュエクなど、世界の第一線で活躍する37組のアーティストによる作品を42点展示しています。

建築は、金沢21世紀美術館を設計した建築家ユニットSANAAの一人でもある西沢立衛です。大小様々な展示室がガラスの通路で繋がれており、アートの家を訪ね歩くような構造が特徴的です。

展示室1部屋には1つの作品が展示されているため、鑑賞者は作品の中に入り込むかのような体験ができます。

作品は美術館の中だけではなく、前庭や向かい側の広場などの建物の周辺、さらに十和田市のまちなかにも点在し、美術館とまちとの境界線をなくした「開かれた」美術館として存在しています。

十和田市現代美術館の使命とは?

エルヴィン・ヴルム《ファット・ハウス/ファット・カー》 撮影:小山田邦哉
出典:十和田市現代美術館公式HP

十和田市現代美術館は、ただ絵画や作品を展示するだけの施設ではありません。

十和田市を活性化させるための事業計画である「Arts Towada」を推し進める達成するために建築された施設でもあります。

十和田市現代美術館が掲げている使命の一部をここで紹介します。

Arts Towadaの中核を担う施設であること

Arts Towadaとは、十和田市のメインストリートである官庁街通り全体を美術館に見立てて、現代美術館、アート作品、アートプログラムの3つの要素からなるまちづくりのためのプロジェクトです。

十和田市現代美術館はその中核を担う施設として、さまざまな作品やプログラムを発信しています。

十和田市は街全体がアートに溢れた世界でも類を見ない魅力的な街へと生まれ変わることでしょう!

持続可能性(サステナビリティ)に配慮した運営

十和田市現代美術館がある十和田市は、2022年3月よりSDGsの理念を踏まえたさまざまな取り組みを実施することを基本計画に盛り込んでいます。

十和田市現代美術館もその理念に従って、サステナビリティに配慮した経営を重要視しています。

十和田市現代美術館を訪れる観客の7割は圏外からであり、持続可能な観光拠点、つまり何度も訪れてもらえるような美術館になることを目指し、グローバル・サステナブル・ツーリズム協会(GTSC)に認証される施設になることを当面の目標としています!

現在開催中の企画展と今後開催予定の企画展

出典:十和田市現代美術館公式HP

十和田市現代美術館では常設展の他に、年に2回展示替えをしている企画展があります。

現在は、国内外の若手アーティスト4名によるグループ展「野良になる」を11月17日まで開催中です。日本とアメリカにルーツを持ち、トランスジェンダー女性として生きるあり方を彫刻で表現する丹羽海子、学校教育を離れ、独学でドローイングを柔らかいウールへと変換し風景を描く䑓原蓉子、品種改良や養殖といった人間のコントロールと動植物の生の関係を取り上げ、映像や料理の作品を作る永田康祐、ブラジルに植民地時代以前から伝わる知識をもとに、植物と人間の関係を問い直す作品を制作するアナイス・カレニンなど、多様な視点から自然を捉える若手アーティストの表現を紹介しています。

彫刻や映像作品のほか、サウンドや香りを用いた作品、触覚に訴えるテキスタイル、食べることのできる料理の作品など、さまざまな感覚を通してアートを感じることができる展覧会です。

2024年12月7日からは、ベルリンを拠点に活動するアーティスト 谷中佑輔の個展が開催されます。

十和田市現代美術館周辺もアートがいっぱい!

ライラ・ジュマ・A・ラシッド《虫-A》 撮影:小山田邦哉
出典:十和田市現代美術館公式HP

先鋭的な美術作品を鑑賞できるのは美術館の中だけではありません。

十和田市現代美術館周辺には、「まちなかアート」と呼ばれる作品があり、街の風景と溶け込むように点在しているんですよね。

十和田市現代美術館を訪れた際は是非周辺を散策してまちなかアートを探してみてくださいね!

私達がおすすめする十和田市の魅力

引用:PAKUTASO

十和田市現代美術館がある十和田市の魅力はなんといっても豊かな自然でしょう。

十和田湖は青森県と秋田県をまたがるカルデラ湖で、水深は327mで日本第3位の深さを誇ります。

そして、十和田市を代表する観光スポットのひとつが「奥入瀬渓流」です。

十和田湖から流れ出た澄み切った清流が流れる奥入瀬川と、岩、森林、滝が織りなす風景は唯一無二であり、特別景勝として国の保護を受けています。

特に秋は周りの木々が美しい紅葉で彩られ、その絶景に目を奪われることでしょう。

美術館としてだけではなく地域住民に開かれた施設を目指す

十和田市現代美術館は、観光客に作品を観てもらうためだけの施設ではありません。

十和田市内の学校を始めとした教育施設向けに、気軽にアート作品に触れてもらうための学校プログラムを設けたり、市民に対してもワークショップの開設や連携プロジェクトなど、地域住民に開かれた施設になることを目指しています!

基本情報

  • 所在地:〒034-0082 青森県十和田市西二番町10-9
  • 開館時間:9:00~17:00(最終入場16:30)
  • 定休日:月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日)、年末年始
  • 入館料:1800円(企画展閉場時1000円)、高校生以下は無料
  • お車でお越しの場合:東京・盛岡方向からは東北自動車道 → 八戸自動車道 → 百石道路「下田百石IC」から国道45号 → 国道102号で約20km
  • 電車でお越しの場合:「八戸駅」から十和田観光電鉄バス「本町東行き」に乗り、「官庁街通」バス停下車後、徒歩5分
  • 駐車場:美術館裏おもいやり駐車場(普通車3台)、西二番町駐車場(約100代※1回200円 美術館有料観覧車には無料駐車場券を配布)
  • 地図:Googleマップ

まとめ

レアンドロ・エルリッヒ《建物-ブエノスアイレス撮影:小山田邦哉
出典:十和田市現代美術館公式HP

十和田市現代美術館は、最先端のアート作品を楽しめる施設としての役割だけではなく、これからの十和田市の未来を牽引する存在となっています。

美術館だけではなく、周辺施設でもさまざまなアートを展示していますし、少し足を伸ばせば十和田湖や奥入瀬渓流など雄大な自然を楽しむこともできますよ!

青森県を訪れる際は、十和田市周辺の観光も予定に盛り込んでみてはどうでしょうか。

この記事を書いた人

kuroo