里山に身をゆだねる滞在。古民家宿「MAHORA西野谷」で自然に寄り添うひととき

新潟県妙高市の西野谷地区に佇む「MAHORA西野谷」さんは、築120年以上の古民家を丁寧に再生した一棟貸しの宿です。

かつての里山の暮らしをそのまま受け継いだ建物には、木組みや土壁の温もりが残り、季節の移ろいとともに風景がゆっくりと変わっていきます。囲炉裏での食事や土鍋で炊く朝ご飯、里山を巡る散策など、時間をかけて土地の文化に触れる体験が揃っています。

日常の喧騒から離れ、自然が持つ静かなリズムに寄り添うような滞在が魅力です。今回はMAHORA西野谷さんの魅力をご紹介していきます。

MAHORA西野谷をご紹介

妙高山麓に佇むMAHORA西野谷は築約120年の古民家を再生し、2024年にオープンした一棟貸しの宿です。

長い年月を経て受け継がれてきた木組みや土壁の風合いがそのまま残り、かつてここで営まれていた里山の暮らしが静かに息づいています。宿の建物には季節ごとの光が差し込み、庭先には野鳥や山の風が訪れます。訪れる人を迎えるのは、妙高の自然と、地域の暮らしに根差した素朴なもてなしです。

土地に寄り添いながら過ごす時間は、華美な演出に頼らずとも、暮らしそのものが持つ豊かさを教えてくれます。旅人と地域が緩やかにつながり、心の輪郭が柔らかく整えられていくような、落ち着いた滞在ができる宿です。

MAHORA西野谷で感じる四季

MAHORA西野谷では季節ごとに風景が大きく変化します。春の芽吹きから秋の実り、冬の雪景色まで、里山の四季を身近に味わえる環境が整っています。

春　田植え体験

妙高の里山では、春になると山麓から雪解け水が流れ込み、田んぼに静かに満ちていきます。MAHORA西野谷では、この季節に田植え体験が用意されています。

水を張った田んぼに足を入れると、まだ冷たさが残る水と柔らかな泥の感触が伝わります。苗を植えていく作業はゆっくりと進み、妙高の土地で育つコシヒカリがどのように始まるのかを、体験を通して知ることができます。

また体験後には、妙高産のコシヒカリで握られたおにぎりと豚汁が用意されています。小学生以下の子どもは無料で参加できるため、家族での利用にも向いています。農家の方々との交流を通じて、食の背景にある暮らしや自然の恵みを学べる機会となっています。

自然の中で過ごす時間を大切にしたい家族や、妙高の季節の移ろいを味わいたい方に向いた春の催しです。5月の里山が持つ静かな美しさとともに、土地の暮らしを感じられる体験となっています。

夏　地域の行事に触れる滞在

8月の妙高には、里山の夏らしい賑わいが訪れます。MAHORA西野谷から歩いて行ける万内川砂防公園では、地域の夏祭りが開催されます。

なかでも人気なのが、川でのニジマスのつかみ取りです。屋台では地元の食材を使った料理が並び、自然素材のワークショップなどの催しも行われています。また、夏休みには子どもたちが自然の中で虫を捕まえる体験もでき、都会では出会う機会の少ない遊びが地域の人々によって丁寧に残されていることが感じられます。

さらに、夏季は宿の外でBBQも楽しめます。自然豊かなこの土地で、地元農家さんから届く色鮮やかな夏野菜を味わう時間は格別です。

夜は星空を眺めたり、焚き火を囲んだりしながら、日中とはまた違った里山の静かな雰囲気に包まれて、くつろぎの時間をお過ごしください。

家族で過ごすお盆休みやグループでの滞在など、静かな時間も賑わいも心地よく受け止めてくれる宿です。

秋　里山が静かに深まる季節

秋分には妙高の里山に静けさが満ちていきます。日中の気温は20度前後と過ごしやすい一方で、朝夕の空気はひんやりとし、稲刈りを終えた田んぼのあぜ道には彼岸花が赤く咲き始めます。そして山の稜線では紅葉が少しずつ色づき始める頃です。

非常に稀ですが、運が良ければ山々では紅葉を、山頂では白い雪景色と、二つの季節が同時に見られることがあります。

妙高の秋は、にぎやかさよりも静かな時間が流れているのが特徴です。紅葉が進む里山を眺めながら過ごす古民家でゆったりとした滞在が楽しめるでしょう。

冬　雪国の知恵に触れる季節

妙高の冬は壮大な自然を滑るスキー客で賑わいます。そしてMAHORA西野谷にはスキーだけではない楽しみ方も見逃せません。古くから雪深い土地で使われてきた「かんじき」を履き、白い森の中を歩く体験もその一つです。かんじきは藁沓の上に装着する民具で、足元への負担を分散して深い雪のなかでも歩けるように工夫されています。

雪遊びやそり滑りを楽しむことができるほか、夜には静寂の中に雪景色が広がり、月明かりに照らされた里山の風景を見ることができます。

山の天候は変わりやすいため、冬用装備を整えての移動が推奨されています。四輪駆動車や冬用タイヤ、チェーンの準備があると安心です。

MAHORA西野谷で体験できるプラン

MAHORA西野谷は囲炉裏料理や土鍋ご飯、里山散策など、土地の文化に寄り添う体験が揃っています。

囲炉裏体験と新潟の食文化

築120年の古民家には囲炉裏が残り、夕食は火起こしから始まります。炭火の温もりと薪の香りに包まれながら、南部鉄器の鍋で妙高の食材を調理します。

季節の野菜や日本海の魚介に加え、新潟を代表するお肉も味わえます。「にいがた和牛」はとろけるような柔らかさと深い旨味があり、「純白のビアンカ」は白く上品な脂が香るブランド豚です。食材が火にかかると自然の香りが立ち上り、古民家の空間がゆっくりと賑わい始めます。

囲炉裏料理はすき焼きやしゃぶしゃぶなどの鍋を中心に、季節ごとのメニューから選べます。地元の農家から届く野菜を添え、ぽん酢をひと口。静かな古民家で味わう夕食は、妙高の食文化と季節をひとつの食卓に集めたような時間です。

土鍋ご飯体験と自家栽培コシヒカリ

妙高で育った自家栽培のコシヒカリを、土鍋でゆっくりと炊き上げる体験ができます。炊きはじめると土鍋に伝わる熱が米一粒一粒に行き渡り、やがて香りが部屋いっぱいに広がります。艶やかに炊きあがったコシヒカリには、自然の甘みと弾力が感じられます。朝の空気とともに味わうご飯は、この土地ならではの特別な味わいです。

宿では自家栽培の西野谷豆や味噌、漬物などが朝食に並びます。チェックイン時に受け取る朝食セットを土間のキッチンで調理し、セルフスタイルで朝食を食べることができるのも嬉しいポイントです。また、自分でコーヒー豆を挽いて淹れることができ、大きな窓から望む景色を楽しみながら、ゆったりと食卓を囲むひとときが過ごせます。

自家栽培の米や豆を用いた朝食と、土地の食材を味わう夕食。土鍋で炊くご飯には、妙高で暮らす人々の知恵や手仕事が詰まっています。古民家のぬくもりを感じながら、自然の季節と向き合う食の体験が楽しめるプランです。

里山散策と自然とのふれあい

宿の周辺には小川や棚田が広がり、静かな里山の風景が続いています。朝は鳥の声が響き、季節の移り変わりとともに草花の色が変わる様子が広がります。春の山菜、夏の滝、秋の紅葉、冬の雪景色と、その時期ならではの自然を味わえます。

地域では春祭りや行事が行われ、村人の暮らしに触れながら散策できるのも魅力です。庭先ではミョウガや秋草が顔をのぞかせ、稲が風に揺れる季節には田園の風景がいっそう美しく映ります。

また、5月〜11月には電動自転車で里山サイクリングも提供しており、森の匂いや季節の風を感じながら周辺をゆったりと探索できます。

早朝や夕暮れには霧に包まれた棚田が現れます。足を進めるだけで、都会とは異なる時間の流れが感じられる散策です。特別な準備は必要ありません。風の匂いや土の気配に耳を澄ませ、自然のリズムに沿って歩くだけで心が静かに整っていきます。

今後、お客様にとってどのような場所でありたいか

MAHORA西野谷は、訪れる方が“妙高の里山の豊かさ”を心から感じられる場所でありたいと考えています。

自然の音や四季の移ろいや地域の人々の温かさに触れ、日常の喧騒から離れて深くリラックスできる時間を提供したい。古民家に流れる静かな時間の中で、新しい発見やつながりが生まれ、「また帰ってきたい」と思っていただける、第二のふるさとのような存在を目指しています。

基本情報

まとめ

MAHORA西野谷では、妙高の里山で育まれてきた暮らしや文化に寄り添う時間が流れています。囲炉裏で火を起こし、土鍋で米を炊き、四季の風景に耳を澄ませながら過ごす滞在は、旅でありながら生活の延長のようでもあります。

華やかな演出はありませんが、この土地が持つ素朴な豊かさがそのままのかたちで息づいています。地域の人々の温かなまなざしや自然の気配に囲まれ、自分の歩調を取り戻すようなひとときが生まれます。

静かな古民家の宿で、里山の時間に身を委ねてみませんか。

• #新潟

この記事を書いた人

CHIKUWAUNI

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