「ワーホリはやめとけ」と言われる理由|業界が語る失敗の構造【2026年】

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2026.08.19
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「ワーホリ やめとけ」で検索すると、デメリットを並べたうえで最後は「準備すれば大丈夫」と締める記事がほとんどです。その多くはエージェント自身が書いています。それも一つの答えですが、精神論では判断できません。編集部はワーホリエージェント6社のカウンセリングを実際に受け、業界側への取材も行いました。そこで見えたのは、失敗が「気持ちの問題」ではなく構造から生まれているということでした。この記事では、その構造を説明します。

この記事の情報源について

  • 調査時期:2026年4月
  • 情報源①:編集部員が6社の無料カウンセリングに実際に申し込み、受講した記録
  • 情報源②:夢カナ留学(株式会社Jstyle)の担当者への企業取材
  • 情報源③:同社の代表・副社長が出演したビジネス対談番組『PIVOT &questions』(2025年7月31日配信)

情報源②③はいずれもエージェント側の見解であり、編集部が業界全体を検証したものではありません。一方の当事者が語った内容として読んでください。

この記事でわかること

  • 「渡航者の9割が課題を抱えている」という業界側の認識
  • 仕事が見つからない構造的な理由
  • 見積もりが実際の3倍になるという指摘
  • それでも行くなら、何を潰しておくべきか

目次

先に結論:やめるべきかは、この3つで判断できます

「やめとけ」と言われる理由は感情論ではありません。具体的な失敗パターンが存在し、それぞれに構造的な原因があります。

失敗パターン 構造的な原因 潰せるか
現地で仕事が見つからない 英語力不足+通学中はフルタイム不可 渡航前の準備で潰せる
お金が足りなくなる 見積もりに含まれない費用がある 総額の定義を揃えれば潰せる
英語が伸びない 日本語環境の職場に固定される 職種選択で潰せる
帰国後のキャリアが不利 説明できるストーリーがない 渡航前の設計で潰せる

この4つを潰せる見込みがないなら、今は行かないほうがいいというのが編集部の見解です。逆に潰せるなら、「やめとけ」は当てはまりません。

業界側は「渡航者の9割が課題を抱えている」と認識している

まずこの数字から始めます。

夢カナ留学(株式会社Jstyle)の代表・安藤和隆氏と副社長・張翼飛氏は、ビジネス対談番組『PIVOT &questions』(2025年7月31日配信)で、ワーホリの実態について語っています。

ワーホリで渡航する日本人が年間3.5万人程度いるうち、課題を抱えている人がどれくらいいるかという問いに対する回答がこちらです。

  • 安藤代表:「90%以上」
  • 張副社長:「8割9割くらいはやっぱり苦しんでいる」

苦しむ理由として挙げられたのは2点でした。

  1. 現地でそもそも仕事が見つからない
  2. 自分の希望した仕事に就けない

これは同社の認識であり、統計的に裏付けられた数字ではありません。ただしエージェント側が自ら「9割が課題を抱えている」と言っている点は重く受け止めるべきです。

番組で示された政府データ

番組内では、オーストラリアにおける渡航者の就労状況調査として次の数字も紹介されました。

  • 約半数以上がそもそも仕事に就けていない
  • 仕事に就けても、現地で通用する英語力がなく途中で解雇される人が4割程度

炊き出しに並ぶ日本人

番組では、2024年頃からオーストラリアでホームレス向けの炊き出しに日本人留学生が多数並んでいるという話も語られました。原因として説明されたのは次の状況です。

仕事が見つからず収入がない上に、現地で生活するために必要な資金も持ってきていない

「ワーホリ難民」という言葉が生まれた背景がここにあります。

なぜ仕事が見つからないのか【構造①】

精神論ではなく、構造で説明します。

理由1:語学学校に通っている間はフルタイムで働けない

これは意外に見落とされている構造です。番組での指摘を整理します。

  • 語学学校に通っている期間は、授業があるためフルタイムで働けない
  • 雇う側から見れば、オーストラリア人もいれば、フルタイムで働けるワーホリ保持者もいる
  • その中で、通学中の人をわざわざ雇うインセンティブが弱い

つまり「語学学校に通いながら働く」という計画は、雇用の観点では不利に働くということです。

加えて、ワーホリビザには就学期間の上限があります。オーストラリアは最大4ヶ月、カナダとニュージーランドは最大6ヶ月です。「学校に通って英語を伸ばしてから働く」という設計自体が、制度上そもそも長くは取れません。

理由2:語学学校の初級クラスでは実務レベルに届かない

番組では、語学学校のレベル分けについても言及がありました。

  • 初級・中級1〜3・上級1〜3といったレベル感がある中で、日本人の多くは初級に集まる
  • 初級クラスで扱うのはbe動詞など基礎的な内容
  • その状態で接客業に応募しても、クレームにつながるリスクから採用されにくい
  • 採用されたとしても裏方など英語を話さないポジションに配置される

そして結果として「そんなところで働いても英語は伸びない」という悪循環が生まれます。

理由3:日本食レストランという「そこしか選べない」状態

張副社長は、実際に聞いた事例として次の話を紹介しています。

日本食レストランに働いたのにもかかわらず最低賃金を下回る金額で実は雇われていた。とはいえその人はもうそこでしか働けないので、もうそれで耐えるしかない

日本食レストラン自体が悪いわけではありません。編集部が夢カナ留学に取材した際も、「現地の方が経営する日本食レストランの場合もあり、特に大きな制限は設けていない」という説明でした。

問題は「そこしか選べない状態で渡航すること」です。選択肢が一つしかなければ、条件が悪くても受け入れるしかなくなります。

なぜお金が足りなくなるのか【構造②】

ここが「やめとけ」の最も実務的な理由です。

見積もりが実額の3倍になるという指摘

番組で安藤代表は、他社の見積もりを実例として分解しています。合計628,123円と表示された見積もりについて、次の不足を指摘しました。

指摘された不足 金額
学費は12週間分入っているが、滞在費は4週間分しか入っていない(残り8週間分が不足) 約46万円
航空券代・海外保険代・ビザ代が計上されていない 約35万円
語学学校卒業後、仕事が見つかるまでの生活費(2ヶ月分)が入っていない 約40万円

生活費の相場は月13万円ではなく20万円が実態であり、これらをすべて足すと最初に見えていた約60万円が実際には184万円になるという説明でした。

そして滞在費を4週間分しか入れない理由について、安藤代表は「これは安く見せるためです」と明言しています。

繰り返しますが、これは同社の見解です。ただし構造として起こりうることは理解しておくべきです。

編集部の実測でも「総額の定義」がバラバラでした

編集部が同じ条件で6社に見積もりを取ったところ、提示総額は85万〜130万円まで開きました。ただしこの差の大半は、サポートの質ではなく「総額に何を含めているか」の違いでした。

エージェント 海外保険 航空券 現地の持参資金
スマ留 含む 含む 含まない
スクールウィズ 含む(26万円) 含む(約4.8万円) 含まない
スタディーイン 含む(25〜30万円) 含む(10万円・片道) 含む(20〜30万円)
ラストリゾート 含む(20万円) 含む(約10万円) 含む(30万円)
夢カナ留学 案内のみ 紹介のみ 含まない
タビケン留学 面談で提示なし 面談で提示なし 含まない

見積書の金額を「これで全部」と思い込むと、渡航後に足りなくなります。

社会人は税金も待っています

退職して渡航する場合、さらに考慮が必要です。

  • 住民税(前年所得に応じて課税される)
  • 国民健康保険
  • 年金

これらはエージェントの見積もりには含まれていません。収入が止まった状態で請求が来るため、渡航1年目に効いてきます。

「就業保証」にも落とし穴があるという指摘

不安を減らすために「就業保証」を掲げるエージェントを選ぶ人もいます。番組ではこれについても注意喚起がありました。

  • 毎月先着5名まで、といった人数制限がついているケースがある
  • 保証される仕事の内容が、ホテルのシーツ交換など英語力を必要としない職種であることがある

つまり「就業は保証されるが、それは英語を使わない仕事」という状態になり得ます。英語力の向上を目的に渡航した場合、これでは意味が薄れます。

「就業保証あり」という表記を見たら、保証対象の人数と職種を必ず確認してください。

それでも行くなら、渡航前に潰しておくこと

ここまで厳しい内容が続きましたが、裏を返せば「潰せる要因」ばかりです。編集部が6社を回って確認した対策を整理します。

1. 英語力を「働けるレベル」まで上げる

編集部が相談した6社すべてが、渡航前の英語学習をパッケージに含めていました。現地で選べる仕事の幅が英語力に直結するためです。

ただし中身は大きく違いました。

  • ラストリゾート…渡航前1年分の25分マンツーマン英会話(24時間対応)
  • スクールウィズ…マンツーマンのレッスン週3回
  • スマ留…AI英会話アプリとオンライン英会話が渡航前半年間使い放題
  • 夢カナ留学…1枠55分・5〜8人のグループレッスンがメイン

同じ「渡航前6ヶ月の英語学習込み」でも、マンツーマンかグループかで実際に話せる時間はまるで違います。

2. 面接対策を渡航前に済ませる

ここは盲点になりやすい部分です。

編集部が夢カナ留学に取材した際、同社は「英語の勉強はしても面接の練習は通常しない」という業界の実情を指摘していました。英語力があっても、面接を突破できなければ仕事には就けません。

同社の場合、渡航前にネイティブ講師との模擬面接を重ね、英文履歴書を数種類作成して印刷まで済ませて持っていくという設計でした。番組では模擬面接を30回行い、現地の面接が「31回目」という感覚に仕上げるという説明もありました。

面接対策の有無は、エージェント選びで必ず確認してください。

3. 資金を「総額」で計算する

見積書の金額ではなく、次の6項目を積み上げてください。

  • 語学学校の費用(通う場合)
  • 滞在費(通学期間だけでなく滞在全期間
  • 海外保険(1年で20万〜30万円が実例)
  • ビザ申請費
  • 航空券
  • 仕事が決まるまでの生活費(最低2ヶ月分)

最後の項目が最も抜けやすい部分です。

4. 帰国後のストーリーを先に作る

編集部が取材した夢カナ留学は、「なぜ留学したいのか」ではなく「帰ってきたらどうなりたいのか」から逆算してプランを組むという方針を説明していました。

同社は「留学が楽しかったで終わらない方がいい」「帰国後に何か活かせたり、成し遂げたりしたときに感動できるもの」という言葉も使っています。

この逆算ができていれば、帰国後の面接でも同じ説明が使えます。「留学しました」だけでは評価されにくいのが実情です。

「やめたほうがいい人」は確かにいます

公平のために書きます。次に当てはまるなら、今は行かないほうがいいというのが編集部の見解です。

1. 目的がないまま行こうとしている

編集部が夢カナ留学に取材した際、同社は「合う人」として「目的意識、目的達成意識が高い人」を挙げていました。

そして不満を感じる利用者について、次の説明もありました。

不満を感じる方の多くは「サポート費用の高さ」を理由に挙げるが、そういった方のほとんどが、きちんと授業に出ていない(元を取ろうとしていない、主体的ではない)傾向にある

受け身で行けば、費用に見合わない結果になりやすいという構造です。

2. 資金が足りていない

前述のとおり、必要額は見積書より大きくなります。「現地で稼げばなんとかなる」という前提は、仕事が見つからなければ崩れます。渡航者の半数以上が仕事に就けていないという政府データが示されている以上、この前提に賭けるのはリスクが高すぎます。

3. 渡航まで準備期間が確保できない

編集部が夢カナ留学のカウンセリングを受けた際、「早く希望の職に就くには最低6ヶ月の事前学習が必要」と説明されました。しかも受講生が多く、最短で契約しても開始は約1ヶ月後とのことでした。

編集部員は10月末の渡航を希望していましたが、逆算すると5ヶ月分しか受講できないという状況になっています。

準備期間が取れないまま渡航すると、現地で英語力不足に直面します。時期をずらせるなら、ずらしたほうが結果は変わります。

4. 年齢制限に追われて焦っている

ただし、これには例外があります。年齢制限は「ビザ申請時に30歳以下」が基準なので、30歳のうちに申請さえ済ませておけば、渡航は後でも構いません。

つまり「申請を急ぎ、準備は並行して進める」という選択が可能です。焦って準備不足のまま渡航する必要はありません。

逆に、行く価値がある人

  • 目的が明確で、帰国後の使い道まで描けている
  • 渡航前に英語力を上げる時間と意志がある
  • 総額を正しく計算し、不足分を確保できている
  • 現地で「英語を使う職場」を狙う覚悟がある

編集部が6社を回って感じたのは、失敗要因のほとんどが渡航前に潰せるものだということでした。「やめとけ」と言われる状態のまま行けば厳しく、潰してから行けば結果は変わります。

よくある質問

ワーホリで人生が終わることはありますか?

「終わる」ということはありませんが、準備なしで行けば得るものが少なく、資金だけを失う可能性はあります。業界側からは渡航者の9割が課題を抱えているという認識も示されています。ただしこれは準備で変えられる部分が大きい数字です。

本当に仕事は見つからないのですか?

番組で示された政府データでは、オーストラリアにおいて約半数以上が仕事に就けていないとされています。ただし要因は英語力と、語学学校に通っている間はフルタイムで働けないという構造にあります。渡航前の準備で改善できる部分です。

英語が話せなくても行けますか?

ビザ申請に英語力の証明は不要なので、行くことはできます。ただし現地で選べる仕事の幅は英語力に直結します。編集部が相談した6社すべてが渡航前の英語学習をパッケージに含めていたのは、この点が理由です。

日本食レストランで働くのはだめですか?

それ自体は問題ありません。問題は「そこしか選べない状態で渡航すること」です。選択肢が一つしかなければ、条件が悪くても受け入れるしかなくなります。番組では、最低賃金を下回る金額で雇われていた事例も語られていました。

いくら用意すれば足りますか?

編集部が6社に取った見積もりは85万〜130万円でしたが、各社で「総額」に含まれる範囲が違います。語学学校・滞在費(全期間)・保険・ビザ・航空券・仕事が決まるまでの生活費(最低2ヶ月分)の6項目を自分で積み上げてください。社会人は住民税・保険・年金も別途必要です。

「就業保証」があれば安心ですか?

番組では、先着5名までといった人数制限や、英語力を必要としない職種であるケースが指摘されていました。「就業保証あり」という表記を見たら、保証対象の人数と職種を必ず確認してください。

帰国後の就職は不利になりますか?

準備次第です。「留学しました」だけでは評価されにくいのが実情ですが、帰国後に何を得ているかを渡航前に設計できていれば、経験は資産になります。帰国後のキャリア支援まで行うエージェントもあります。

まとめ

「ワーホリはやめとけ」という言葉には、根拠があります。ただしそれは精神論ではなく、構造から生まれる失敗パターンです。

業界側の認識

  • 渡航者のうち課題を抱えている人は「9割以上」(夢カナ留学代表)
  • 豪州の政府データでは、約半数以上が仕事に就けていない
  • 就けても英語力不足で途中解雇される人が4割程度

失敗の構造

  1. 語学学校に通っている間はフルタイムで働けず、雇われにくい
  2. 初級クラスの英語力では、英語を使う職に就けない
  3. 見積書に含まれない費用があり、資金が足りなくなる
  4. 選択肢がないまま渡航すると、条件の悪い職場に固定される

そして、これらはすべて渡航前に潰せます。

  1. 英語力を「働けるレベル」まで上げる(マンツーマンかグループかを確認)
  2. 面接対策を渡航前に済ませる(英語学習だけでは足りない)
  3. 資金を6項目で積み上げる(仕事が決まるまでの生活費を忘れない)
  4. 帰国後のストーリーを先に作る

この4つを潰せる見込みがないなら、今は行かないほうがいいというのが編集部の見解です。時期をずらせるなら、ずらしたほうが結果は変わります。

逆に潰せるなら、「やめとけ」はあなたには当てはまりません。


本記事に掲載している業界側の見解は、夢カナ留学(株式会社Jstyle)への企業取材および同社代表・副社長が公開の場で語った内容にもとづきます。編集部が業界全体を検証したものではなく、一方の当事者による見解です。料金は2026年4月時点で編集部が各社のカウンセリングを受けた際の情報であり、渡航先・時期・為替によって変動します。

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kawaguchi

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