奄美群島の集落文化を次の時代に伝える「伝泊」の取り組み

2024.11.14

本日は奄美群島にある宿泊施設「伝泊 」さんを取材しました。「伝泊」さんは単なるの宿泊施設ではなく、奄美群島の集落文化を次の時代に伝えることを使命に、まちづくりを行っています。

スタッフさんから聞いた話を中心に、「伝泊」さんの概要や活動を紹介します!

伝泊 古民家発足の背景

引用:伝泊.com

奄美群島は、鹿児島と沖縄の間に位置し、奄美大島をはじめとする8つの有人島からなる島々です。奄美群島には約360の集落があり、750年以上もの間集落ごとに異なる文化が継承されてきました。様々な歴史背景がある中で受け継がれてきた文化は奄美の宝です。

「伝統的・伝説的な建築と集落文化を次の時代に伝える」というコンセプトのもと、行政と集落からの「空き家問題をなんとかして欲しい」という依頼を受け、2016年に宿泊施設「伝泊 古民家」が奄美大島にオープン。伝泊 古民家は、集落で空き家となっていた奄美の風土に根ざす伝統建築を再生した、一棟貸しの宿です。現在は、奄美大島だけでなく、加計呂麻島・徳之島のそれぞれの集落に合計18棟の宿泊施設があります。
また「伝泊 古民家」以外にも、「伝泊 The Beachfront MIJORA」「伝泊 赤木名 ホテル」「伝泊 ドミトリー&ランドリー」といった、旅行者のニーズで選べる4種類の宿泊施設を運営しています。

伝泊 古民家で現在注力している事業

引用:伝泊.com

伝泊は、シマッチュ(島の方言で「島民」)が大切に守ってきた自然や集落文化を次の時代へ伝えるため、宿泊施設の運営を通して“集落の日常を観光化”するまちづくりを行なっています。
その中でも、伝泊 古民家は「島のときと対話する」というコンセプトを掲げており、
集落や古民家ごとのストーリー、シマッチュとの交流を楽しめる宿です。

伝泊 古民家の宿として採用される条件は主に以下の3つです。

・島の伝統的構法を7割以上残す建物である、もしくは島にとって伝説的な建物であること
・島の魅力を体感できるロケーションであること
・集落の人たちが協力的であること

上記の条件をクリアした伝泊 古民家に泊まることで、集落の日常を体験できます。

特に集落ごとの唄・踊り・方言、さらには時期によってはお祭りなど、シマッチュとの交流を通じて文化体験ができるプログラムを約30種類用意。地元の人たちと接しながら過ごすことで、奄美旅行の中でもかけがえのない思い出になることでしょう。

伝泊 古民家の見どころやポイントを紹介!

引用:伝泊.com

奄美群島は近年国内外から多くの観光客が訪れています。通常、観光で訪れる際はリゾートホテルに滞在することがほとんどでしょう。

リゾートホテルでの滞在は快適な旅行が約束されるというメリットがあります。しかし、「伝泊 古民家」に宿泊して奄美群島旅行をすると、奄美の日常の暮らしや文化体験ができ、まるで集落に暮らすような滞在ができます。

本章では、伝泊 古民家ならではのおすすめポイントを紹介しましょう。

集落に点在する古民家での宿泊で伝統を体感

伝泊 古民家はリゾート地に建っている宿泊施設ではありません。集落内の空き家であることが伝泊 古民家の条件となっていることからも分かるように、伝泊 古民家では集落の中で宿泊します。

茅葺屋根の奄美の伝統的な穀物貯蔵庫「高倉」がある宿や、テラスから朝陽が楽しめるロケーションにある宿など、場所によって異なる特徴を持っており、元々民家であることから、まるで集落の住人になったかのような気分で宿泊できます。

ゆったりとした島時間に身を委ねれば、日々の喧騒をすっかり忘れられますよ!

地域住民との触れ合い体験

奄美の地元の人たちと一緒にさまざまな体験ができるのも伝泊 古民家ならではの魅力のひとつです。島のおばと一緒に家庭料理を作る「島じゅり(島料理)作り体験」は、レストランでは味わえない貴重な体験ができます。
また、年に数日間しか行われない伝統行事を、一年中シマッチュと一緒に体験できる「八月踊り体験」プログラムがあるなど、奄美でしかできない体験が叶います。

まーぐん広場

「まーぐん広場」は高齢者施設・食堂・物産&ギャラリーなどがある複合施設で、地域住民の方も気軽に利用できる、地域住民と観光客との交流拠点となっています。奄美出身のスタッフだからこそ知っている現地情報を得たり、全国的にはまだ知られていない奄美群島から選りすぐった物産品や雑貨が並び、お土産選びも楽しめます。

私たちがおすすめする奄美群島の魅力

引用:伝泊.com

奄美群島は独自の自然や生態系が育まれており、2021年には世界自然遺産に登録されました。しかし奄美群島が世界に誇れる遺産は自然だけではありません。奄美全体を取り巻くさまざまな歴史的背景の中で育まれた、約360の集落文化が750年という長い時を経ていまだに継承され続けていることも、世界に誇る貴重な文化資源です。

集落ごとの文化を受け継ぎ続けているシマッチュたちの温かさや心の豊かさこそが奄美群島最大の魅力なのです。

基本情報(チェックイン場所である「まーぐん広場について」)

  • 所在地:鹿児島県奄美市笠利町大字里50-2
  • お問い合わせ:0997-63-1910
  • チェックイン:15:00〜19:00
  • 宿泊料:施設やプランによって異なるので公式サイトで確認してください。
  • お車でお越しの場合:奄美空港から車・バスで約10分
  • 駐車場:あり
  • 地図:Googleマップ

今後の展望

引用:伝泊.com

伝泊 古民家のスタッフに今後の展望についてお聞きしたところ、奄美大島北部にある29の集落と連携しながら各集落の特徴を活かした情報発信や、さまざまな体験プログラムを充実させる予定だそうです。

ただの観光地巡りだけでは味わえない「集落の日常」を提供する場となり、利用した人が奄美の真の魅力を感じて「また来たい」と思ってもらえるような活動をしていきたいと語ってるおられました。

観光客と地域住民との交流の場を提供することは、他にはない体験を観光客にしてもらうのに加えて、地域活性化にも繋がり、奄美のまちづくりにも役立っています。

まとめ

引用:伝泊.com

伝泊 古民家は伝泊が運営する宿泊施設のフラッグシップ的な役割を果たしています。奄美群島内には他にも3種類の宿泊施設があるので、奄美群島を訪れるごとに違った場所で宿泊するのもおすすめですよ!

伝泊 古民家の取り組みはただの宿泊施設としてではなく、地域住民と観光客をマッチングさせるという取り組みをすることで奄美のまちづくりにも一役買っています。

そして、奄美の集落文化をさまざまな人たちに伝えて継承していくことこそが伝泊最大のコンセプトです。伝泊 古民家に宿泊して体験したことを是非家族や友人などに伝えてあげてくださいね!

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