観光と防災が交差する未来!レイ・フロンティアの革新的な取り組みとは?

2025.01.16

レイ・フロンティア株式会社 代表取締役社長 CEO 田村 建士さんインタビュー
田村 建士岩手県出身。東北学院大学土木工学科卒業(構造工学)。2002年、川田テクノシステム(現:川田テクノロジーズ)に橋梁設計ソフトに関わるエンジニアとして入社。2007年、京都のゲーム開発会社に入社し、東京開発室の室長を務める。2011年、レイ・フロンティア株式会社の代表取締役に就任。企業や自治体向けに位置情報技術やAR技術に関する講演を多数行い、大手企業への位置情報系サービスの導入を支援。位置情報を活用した行動データの収集と分析を通じ、観光業界やモビリティ社会、スマートシティ分野でサービスを提供。地域の魅力を高めるだけでなく、外出先での災害対応支援(https://www.youtube.com/watch?v=MDxdn8Yzwr8)も行うことで、地域社会が「より安心で、より安全に」暮らせる未来を目指している。

introduction

位置情報データを活用して地域の課題を解決するレイ・フロンティア株式会社。観光業界やスマートシティ分野での取り組みは、SDGs達成に向けた新しい可能性を秘めています。

本日は、代表取締役社長 CEO の田村建士さんに、SDGsへの取り組みやビジョンについて伺いました。

レイ・フロンティア株式会社の事業内容や理念

– レイ・フロンティア株式会社では、どのような事業を展開されていますか?

田村さん:

レイ・フロンティア株式会社は、位置情報データの収集・分析技術を活用し、人々の行動データを正確に可視化することで、未来を創造するソリューションを提供しています。私たちは観光、防災、マーケティング支援、スマートシティの推進といった幅広い分野で活躍しており、AI技術や独自の分析力を駆使して、社会課題の解決や新たな価値の創出に貢献しています。

– 観光分野で特に力を入れている取り組みについて教えてください。

田村さん:

観光分野では、混雑状況を可視化するヒートマップや、観光地のパーソナライズ体験を支援する仕組みに注力しています。また、ドライブ旅行のエコで楽しい体験をサポートする機能も展開しており、旅行者一人ひとりに合わせたより良い体験を提供することを目指しています。

– システム利用における特徴や利便性について教えてください。

田村さん:

AIの専門知識がなくても直感的に使えるシステムにより、属性や行動パターンを基にN=1レベルの詳細な調査が可能です。この技術を通じて、地域や観光地の魅力を最大限引き出し、訪問者の満足度向上や地域社会の発展に貢献しています。

「ものづくりの会社である軸」を守りつつエコツーリズムとSDGsを実現

-貴社が大切にしている「ものづくりの精神」とは、具体的にどのような内容でしょうか?

田村さん:

「ものづくりの精神」とは、単なる技術提供にとどまらず、社会のニーズに即したサービスを開発し、創造的な取り組みを行う姿勢を指します。例えば、私たちが提供しているe燃費アプリの「ドライブログ機能」では、運転行動を可視化することで、ドライブ旅行中のエコドライブの実践を支援しています。この機能を通じて、燃費の向上やCO2排出量の削減をサポートしています。

– エコドライブ支援以外にも旅行者向けの機能があれば、具体的に教えてください。

田村さん:

旅行後の振り返り機能もその一つです。訪れたスポットや通ったルートを確認でき、旅行の思い出を楽しむ機会も提供しています。


防災や安全面での取り組みについても教えてください。

田村さん:

防災機能の強化も重要な取り組みです。旅行者が普段いない土地にいる際でも、緊急時の避難情報を即座に受け取れる機能や、災害時の位置情報共有機能を提供しています。これにより、旅行者が安心して旅を楽しめる環境を支援しています。

– これらの取り組みはSDGsにどのように貢献しているのでしょうか?

田村さん:

これらの取り組みは、SDG 11(住み続けられるまちづくりを)およびSDG 13(気候変動への具体的な対策)の達成に貢献しています。エコドライブ支援や防災機能の強化を通じて、環境負荷の軽減や安全なまちづくりに貢献していると考えています。

SDGsと向き合い、地域と人を支えるレイ・フロンティア株式会社の挑戦

– SDGsにおいて、特に注力している目標や分野について教えていただけますか?

田村さん:

レイ・フロンティア株式会社では、SDG 11(住み続けられるまちづくりを)とSDG 13(気候変動に具体的な対策を)を重視し、観光、防災、エコの3つの分野を軸にした取り組みを進めています。

– SDG 11の「住み続けられるまちづくりを」に関連した取り組みについて、具体的に教えていただけますか?

田村さん:

防災支援を通じて安心して滞在できるまちづくりをサポートしています。私たちが提供している無料のSilentLogアプリでは、Lアラートを活用することで災害発生時に自宅以外でもスマートフォンに緊急通知を受け取れる仕組みを導入しています。これにより、旅行先や見知らぬ土地でも迅速な行動を取れるよう支援しています。また、最寄りの避難所を即座に案内する機能も備えており、観光客が滞在中でも安心して過ごせる環境を整えています。さらに、災害時には電話がつながりにくい状況でも、家族と位置情報を共有することで迅速な安否確認を可能にする仕組みを構築しています。

無料のSilentLogアプリ:(https://www.youtube.com/watch?v=MDxdn8Yzwr8)

 

防災アシストアプリ

– この取り組みを通じて得られた成果や学びを教えてください。

田村さん:

これらの取り組みによって、「もしものときでも対応できる」という安心感を提供し、外出中の体験価値を向上させています。災害対応は能登震災以降、さらに注目されている分野であり、地域の防災力を強化することで、観光誘致にも効果的であると考えています。

 

防災アシストアプリ

– SDG 13「気候変動に具体的な対策を」では、どのような取り組みをされていますか?

田村さん:

観光客やドライバーのエコ意識を高め、CO2排出量の削減を目指して、e燃費アプリの「ドライブログ機能」を提供しています。この機能では、走行距離や燃費を可視化することでエコドライブの実践をサポートしています。さらに、燃費向上を促すだけでなく、CO2排出量を見える化する仕組みによって、ユーザーがより環境に配慮した行動を取れるよう促しています。加えて、旅行後にはドライブログで運転ルートを振り返ることができ、旅の思い出を楽しむ機会を提供しています。

 

e燃費アプリ

– この取り組みを通じて得られた成果や学びを教えてください。

田村さん:

ユーザーの運転行動を見える化し、燃費を可視化することで、エコドライブへの意識が大きく向上しました。また、環境対策だけにとどまらず、「旅行後の思い出を楽しむ機能」とエコを両立させた点「楽しさ×エコ」の組み合わせがユーザーのモチベーションを高める要因となっています。これにより、楽しさと環境意識を同時に高めるという新たな価値を提供できたと感じています。

地域と連携したエコツーリズムの推進—SDGsを実現する実例

– エコツーリズムや地域活性化に向けて、自治体や観光事業者とどのような連携をされていますか?

田村さん:

宇都宮市と連携して導入した「うつのみや健康ポイントアプリ」は、市民が日常の移動手段として自動車よりも自転車を利用することを奨励する仕組みを提供しています。このアプリでは、利用者が自転車での移動を行うたびにポイントが付与され、そのポイントを地元商店街や観光施設で利用できるようになっています。この取り組みは、市民の健康増進を図ると同時に地域経済の活性化を目指しています。

うつのみや健康ポイントアプリ

– ポイント制度によってどのような効果がありましたか?

田村さん:

「うつのみや健康ポイントアプリ」の取り組みによって、ポイントを通じた地元消費が増加し、商店街や観光施設の収益が向上しました。また、自動車利用の抑制により、CO2排出量の削減が実現でき、環境負荷を軽減する成果も得られました。これらはSDG 11(住み続けられるまちづくりを)とSDG 13(気候変動に具体的な対策を)の目標達成に貢献しています。

– 他にも観光事業者との連携事例があれば教えてください。

田村さん:

もう一つの事例として、地域鉄道である三陸鉄道との連携があります。この取り組みでは、乗客の移動データを活用して観光促進を実施しています。アプリを通じて乗客の行動を可視化・分析し、地域の観光スポットを最適なタイミングで紹介する仕組みを導入しました。これにより、普段は利用者が少ない駅にも注目が集まり、地域全体の魅力を再発見するきっかけを作っています。

さんてつアプリ

– 三陸鉄道との取り組みで得られた効果について教えてください。

田村さん:

三陸鉄道との連携では、鉄道を軸にした観光モデルを構築することで、地域経済の活性化に繋がっています。また、公共交通機関の利便性をアピールすることで、地域住民や観光客による利用が増加し、鉄道の利用促進につながりました。この取り組みもSDG 11(住み続けられるまちづくりを)に貢献するものと考えています。

位置情報技術で観光地の未来を創る—レイ・フロンティア株式会社の環境保全と行動分析の実践

– 位置データ収集技術を活用して、観光地の環境保全にはどのように活用されていますか?

田村さん:

レイ・フロンティアでは、位置情報技術や行動データの可視化技術を駆使して、観光地の環境保全に貢献しています。一つの例として、「人流ヒートマップ」を提供しています。観光地に訪れる人々の動線や混雑状況を可視化することで、観光地の管理者が訪問客の集中が予想されるエリアを把握し、観光ルートや観光施策を調整する際に役立てられます。また、分散観光を支援する取り組みも行っています。アプリ内でパーソナライズされた情報を発信することで、観光客の訪問先を分散させ、特定の観光スポットへの負荷を軽減する仕組みです。

さらに、e燃費アプリを活用したエコドライブ支援も進めています。このアプリでは、ドライバーの走行データを可視化し、燃費の最適化を図ることでCO2排出量の削減をサポートしています。特に車で訪れる観光地では、この取り組みが重要な役割を果たしています。

観光客の行動分析についても教えてください。

田村さん:

私たちは、観光客の行動データを詳細に可視化し、観光地の魅力を高めるための技術を提供しています。これには、従来の「属性ベース」の分析だけでなく、「行動データ」×「嗜好性」を組み合わせたN=1の行動分析が含まれます。これにより、観光客一人ひとりの行動パターンを可視化し、パーソナライズされた観光体験をサポートすることが可能です。

N=1の行動データ分析の具体例を教えていただけますか?

田村さん:

特にN=1の行動データ分析では、従来の「年齢・性別・属性」ベースの分析に加え、個々の観光客がどのエリアを訪れ、どのくらい滞在したかといった具体的なパターンを可視化します。これにより、観光客の「誰が、どこで、何をしているのか」を正確に把握することができ、観光施設や自治体がピンポイントで適切な施策を展開できるようになります。

観光施設や自治体がこの分析をどのように活用しているのですか?

田村さん:

観光施設や自治体は、このデータをもとに最適な観光ルートを自動生成して提供ことが可能です。例えば、特定の観光スポットが混雑する時間帯には代替ルートを提案することで、観光客の体験を向上させつつ、地域全体の観光需要を分散させる取り組みが可能になります。また、この分析を活用することで、訪問者の満足度を向上させるだけでなく、地域の観光資源を長期的に保護するための施策を講じることもできます。

たとえば、観光客がどのエリアを訪れ、どのくらい滞在したかを分析することで、観光施設や自治体がピンポイントな施策を展開できます。また、行動パターンを基に観光ルートを自動生成し、観光客が効率的にスポットを巡れるよう案内を最適化しています。これにより、観光客の満足度を大きく向上させることができます。

– 行動分析技術の活用例として、特に効果的なものを教えてください。

田村さん:

AIによる行動予測がその一例です。この技術を活用することで、観光客の過去の行動データから次の行動を予測し、最適な観光ルートや提案をアプリ内で自動生成する仕組みを提供しています。例えば、観光客が次にどのスポットを訪れやすいかを予測し、スムーズに観光を楽しむためのガイドを行っています。

SDGsと観光の融合—レイ・フロンティア株式会社が目指す“ななめうえな”取り組み

– 企業活動全体において、SDGsのどのゴールに重点を置いて取り組んでいますか?

田村さん:

レイ・フロンティア株式会社は、SDG 11(住み続けられるまちづくりを)とSDG 13(気候変動への具体的な対策)を重視して取り組んでいます。この2つの目標は、観光、防災、エコという3つの分野に深く関わり、私たちの事業の中核をなすテーマとなっています。

– 具体的に、どのような“ななめうえな”アクションを展開されていますか?

田村さん:

私たちは「観光×防災」「観光×エコ」「観光×地域活性化」という3つの軸で“ななめうえな”アクションを展開しています。例えば、「観光×防災」の分野では、防災情報の配信システムと通知方法に関する技術開発を進めています。この一環として、「特開2023-056699 防災情報通知システム及び防災情報通知方法」の特許を出願し、2023年4月20日に公知となりました。

– 観光×防災における具体的な取り組みを教えてください。

田村さん:

観光中の土地では災害時の行動や避難所の場所が分からないことが多いですが、これを解決するためにLアラート(災害情報)を旅行者にプッシュ通知する仕組みを導入しています。さらに、災害が発生した場合には、最寄りの避難所をリアルタイムでマップ上で表示し、観光客が迅速に避難できるようサポートしています。また、家族や関係者に自動的に位置情報を共有する仕組みを提供し、災害時にも観光客の家族はリアルタイムで安否確認ができる環境を整えています。

– 観光×エコではどのような取り組みをされていますか?

田村さん:

「観光×エコ」の分野では、e燃費アプリを活用した「エコドライブ支援」を展開しています。旅行中の走行データを可視化し、燃費を向上させるとともにCO2排出量の削減を図っています。また、旅行後にはドライブログ機能を使い、訪問したルートや立ち寄った場所を振り返ることができ、旅行後も楽しさを感じられる仕組みを提供しています。さらに、旅行中に排出されたCO2の量を見える化することで、観光客自身が環境への影響を意識し、エコな選択を取るよう促しています。

– 観光×地域活性化では、どのようなアプローチをされていますか?

田村さん:

地域活性化の取り組みとして、三陸鉄道と連携し、観光客の行動データを活用して下車駅の観光スポット情報をアプリで提示する仕組みを提供しています。これにより、普段は訪れない駅にも立ち寄る観光客が増え、地域全体の回遊性が向上しています。また、宇都宮市では「うつのみや健康ポイントアプリ」を導入し、自転車移動を推奨する仕組みを導入しています。このアプリでは、自転車の移動でポイントが加算され、そのポイントを使って地元商店街や観光施設で利用することができ、地域経済の活性化にも貢献しています。

– これらの取り組みを通じて得られた“ななめうえな”ポイントとは?

田村さん:

観光×防災の分野では、観光体験の「楽しさ」に“安心”という新たな価値を加えることで、観光地の魅力向上と防災力の強化を実現しています。また、観光×エコでは、エコドライブと観光を融合することで、環境負荷を減らしながら旅行を楽しむ新しい観光スタイルを提案し、旅行前、旅行中、旅行後を一貫した体験にすることで、旅行後の楽しみを創出するという新しい観光体験を提供しています。さらに、観光×地域活性化では、「1つの観光地で完結しない観光スタイル」を提案することで、回遊性の向上を図り、観光客の滞在時間を延ばすことで、観光地の経済活性化にもつながっています。

未来の観光体験を形づくる—レイ・フロンティア株式会社が描くSDGsとエコツーリズムの展望

– 今後、SDGsやエコツーリズムに関連して目指している目標について教えてください。

田村さん:

私たちは、旅行者一人ひとりの嗜好や行動データに基づいたパーソナライズ観光体験の進化を目指しています。そのために、AIによる観光ルートの自動生成エンジンや、ジオフェンスを活用した通知機能をさらに強化していきます。

また、防災機能の強化にも注力しています。特にLアラートの受信機能や避難場所の表示機能を進化させ、緊急時でも電話がつながらない状況で家族や関係者と位置情報を共有できる仕組みを充実させています。この取り組みによって、観光中の安心感を提供すると同時に、地域の防災力の向上にも寄与することを目指しています。

 

– 観光地の魅力向上や持続可能性に向けた取り組みについて、具体的な戦略を教えてください。

田村さん:

私たちの目指す観光の未来は、「旅行中も、旅行後も続く楽しさと安心」を提供することです。観光中の快適さを追求するだけでなく、旅行先の防災支援を通じて旅行の質を向上させることに取り組んでいます。観光客が安心して滞在できる環境を整えることで、旅行先での体験価値を最大化し、観光地全体の魅力向上と持続可能な観光地づくりを実現します。

SNSシェア

この記事を書いた人

tyinkarbel

書いた記事を読む

人気記事

人気・おすすめタグ

関連記事

浅草 食べ歩き

浅草の食べ歩きにおすすめグルメ特集!しょっぱいものからスイーツまで紹介【2025年最新】

2025.01.30
川越サムネイル

小江戸・川越でおすすめの食べ歩きグルメランキング!王道〜穴場まで観光できるモデルコースあり

  • #グルメ
  • #埼玉
  • #関東
2025.01.30
豊洲市場

豊洲市場エリアでおすすめの食べ歩きグルメ!話題の千客万来エリアまで一気に紹介

2025.01.30
広島・宮島でおすすめの食べ歩きグルメ&スイーツ

広島・宮島でおすすめの食べ歩きグルメ&スイーツ🍁牡蠣やもみじ饅頭を厳島神社周辺で楽しもう

  • #グルメ
  • #広島
2025.01.30
横浜でしか買えないおすすめお土産ランキング

横浜でしか買えないおすすめお土産ランキング!定番から地元の人に愛される名産品まで紹介

  • #神奈川
2025.01.30

福岡でしか買えないお土産おすすめランキング!お菓子やばらまき用から高級な名品まで

  • #福岡
2025.01.30